イーディス・シットウェル戦争と原爆を表した英国女性詩人
- 著者
- 寺沢京子
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 160ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-520-7 C0095
- 発行日
- 2024/09/01
- 本体価格
- 1,500円
熱線は音もなく襲い 空を揺るがして
獲物を求めるごとく 幹を搾り取る
大地の生きとし生けるものが 干上がるまで
骨の髄を飲み干して
見ていた目も 口づけていた唇も消えて
雷のごとく黒こげて 殺された太陽に 歯をむき出した
(イーディス・シットウェル
「新しい日の出のための哀歌(1945年8月6日午前8時15分)」より)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
イーディス・シットウェルの「核時代の三詩篇」を初めて読んだとき、
私は心を動かされました。広島や長崎への原爆投下から数年後に出さ
れた詩で、原爆が人間全体の罪として捉えられていて、人間の歴史に
遡って表されていたからです。それで私は、彼女の戦争や原爆の詩を、
深く知りたいと思うようになりました。
(「まえがき」より)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
― Contents ―
Ⅰ イーディス・シットウェル
―戦争と原爆を表した英国女性詩人
はじめに
1.イーディス・シットウェルの生涯
2.「黄金海岸の慣習」―戦争を予言
3.「なお雨が降る 1940年の空襲 夜と暁」
4.核時代の三詩篇
新しい日の出のための哀歌
カインの影
薔薇の賛歌
*
Ⅱ 生命をつなぐ言葉を求めて
オーウェルの伝言
「クリスマス・キャロル」の幽霊
晩夏に感じたこと
心に残る映画「舟を編む」
かけがえのない生命の時間
嘘の言葉と真実の言葉
使命を貫いた人生 ―神谷美恵子さん
吉本ばなな『哀しい予感』から
「此処」だけではなく
行動する作家 ―小田実さん
坂本龍一さんと樹木
日本女性の幸せを願って ―ベアテ・シロタさん
平和の大切さを伝える劇
平和といのちを見つめて 左子真由美
● 著者について ●
寺沢京子(てらさわ・きょうこ)
神戸女学院大学英文学科卒業。神戸大学大学院総合人間科学研究科、文化学研究科修了。学術博士(文学)。
神戸YWCAピース・ブリッジ代表/神戸英米学会/原爆文学研究会/関西詩人協会/総合詩誌「PO」編集委員
既刊著書
『在る』(1998年 海風社)
『窓から』(2003年 海風社)
『大切なものって何だろう―核・震災・そして文学』(2012年 竹林館)
『平和の橋 Peace Bridge 一人ひとりが大切にされる社会を願って』(2017年 竹林館)