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 ことばのリレー・次世代に手渡したい詩叢書 

 現代日本詩人選100　№２ 

　　　　　 風・光る

　　　　　風・光らない

　　　　　風・光らない

　　　　　風・光る

　　　　　風がやって来た　遠い海から

　　　　　野里子さんの部屋は/地球であるらしい/ひらいたばかりの窓がある

　　　　　風が吹いている/髪が流れる/歌声が聞こえる

　　　　　野里子さんのからだは/透明な器であるらしい/野里子さんが歩くと

　　　　　詩が零れる/愛が零れてしまう/だから花を蒔いてしまう

　　　　　水崎野里子の学識の深さや広さ、アカデミックな活躍は言うまでもない。

　　　　　けれど、誰も彼女を「学者詩人」とは呼ばないだろう。

　　　　　彼女は全身詩人である。詩人・水崎野里子のかそけき優しさと

　　　　　やわらかな心がここにある。

　　　　　（左子真由美）

● 著者について ●

水崎野里子(みずさき・のりこ)

東京生まれ。詩集に『火祭り』(竹林館)、『新・日本現代詩文庫138 水崎野里子詩集』(土曜美術社出版販売)他。
エッセイ集に『詩と文学の未来へ向けて 水崎野里子エッセイ集1995~2016』(土曜美術社出版販売)、

『世界の詩人たち 水崎野里子翻訳・エッセイ集 1998~2018』(竹林館)他。
英語単独使用と英語・日本語のバイリンガル発表での日本現代詩人アンソロジーを左子真由美と共同で企画・編集。
Poems of War & Peace, For a Beautiful Planet, One Hundred Leaves など。
作品発表は他に「千年樹」「光芒」「詩人会議」など。