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太平洋戦争開戦の謎を解明:終戦60年タブー尾崎・ゾルゲ事件に挑み世界光明へ昇華

著者
池永 孝
叢書名
春秋新書16
サイズ
文庫
144ページ
ISBN
978-4-86000-96- C0221
発行日
2005/12/09
本体価格
800円

個数  

なぜ、筆者が太平洋戦争にこだわるのかといえば、現代日本にいまなお多大な影響を及ぼしている他に、それについて述べられている内容が余りに短絡的なものが多過ぎるのに疑問を抱いてきたからである。筆者はいわゆる「自虐史観」なるものには加担しないが、それを生み出してきた要因は深く反省して、今後の日本社会の運営に生かして行かねばならないと考える。同時に、日本人は全世界に向かって、太平洋戦争の教訓を十分に発信する基地となるべき使命があるのではなかろうかと思っている。                      池永孝「まえがき」より

目次
第一章 いまなぜ太平洋戦争なのか
社会現象のあらゆる面に負の精神的遺産を背負う
第二章 太平洋戦争開戦の短絡的見解を排除
右翼ファッシズムが全てではない
第三章 太平洋戦争をめぐる主な歴史観
1.唯物・侵略史観
日本では太平洋戦争史観の主流派であったが、マルクス・レーニン主義
の崩壊で衰微傾向のきざし
2.自由史観VS自由主義歴史史観
原爆投下は日本の責任、中国へ行き反日教育を叩き込まれ、在日朝鮮人
資金で北朝鮮から核ミサイルで脅される現状を憂慮し司馬遼太郎の見解
史観へ
3.尾崎・ゾルゲに嵌まった「策略史観」
政府中枢にゾルゲ独系ソ連スパイ潜入を許し機密情報スターリンへ直接
中国では共産党戦略に乗ぜられ泥沼化し、日米激突の南進策を選択
第四章 戦況の展開と究極の人間使い捨て作戦
泳がされ、やがて人権無視に陥った三代目軍部政治家首脳
第五章 国土の焦土かと慌てふためく政府
究極的ハイテク兵器原爆出現と参戦準備のソ連に仲介依頼するお人好し外交
第六章 敗戦による物質・精神的荒廃と経済復興
朝鮮戦争という神風が吹き、物心の打撃を経済発展に昇華
終章 第二の敗戦を乗り越え世界の灯明台へ
テロに明け暮れる世界に憲法九条の精神を昂揚