新体詩の現在 加藤廣行詩論集
- 著者
- 加藤廣行
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 244ページ
- 製本
- ハードカバー
- ISBN
- 978-4-86000-315-9 C0095
- 発行日
- 2015/08/01
- 本体価格
- 2,400円
新しい調べと様式の発見のために
この時代、詩への愛と詩の困難さは
別のものではない。
その狭間の細い稜線をゆく筆者の眼差しは
豊かな詩精神と学識に裏打ちされた
強い志に貫かれている。
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かくして、詩は何でも歌えるようになった、と言ってよいのであろうか。先達のこうした達成は、むしろ詩の現況に対する、そして言葉の現状に対する警世ではないかと考えてしまう。確かに詩の題材は広がった、書きぶりもである。しかし、深くまで届いているのか。・・・新刊書が隆盛の今日、新しき詩歌とは何の謂ぞと、透谷節を真似てみる。到ることの困難な地点を見失ってしまったのかもしれない。「豊かな日本語復活」などという惹句が市民権を得る程に、この国の言葉は力を失いつつある、急速に。
(「本歌取りの精神」より)
---------- 目 次 ----------新体詩の現在
新体詩の現在
気がつけば記号論
詩神の一吹き
本歌取りの精神一読再読三読
小松弘愛詩集『銃剣は茄子の支えになって』
有松裕子詩集『擬陽性』
「春眠」の由来―西川敏之詩集『遠い硝煙』
山本泰生詩集『三本足』
陽炎に入る―植木信子詩集『迷宮の祈り』
奥野祐子詩集『スペクトル』
石原武詩集『飛蝗記』
相良蒼生夫詩集
『都市、思索するペルソナまたは伴走者の狂気』
奥重機詩集『囁く鯨』
現在形の神話
―大島邦行詩集『KingKongの尾骶骨』への道のり文字の路地
擬本歌取りの行方―望月苑巳詩集『聖らむね論』
清水哲男評論集『詩的漂流』を読む
詩集評 一九八二 1
詩集評 一九八二 2
「イカルス」を読む跋
『安愚樂鍋』賛