柔らかい檻渡ひろこ詩集
- 著者
- 渡ひろこ
- サイズ
- A5判
- 頁
- 136ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-479-8 C0092
- 発行日
- 2022/08/15
- 本体価格
- 2,000円
親族との永訣。そこへ新型コロナウイルス感染症、
ロシアによるウクライナへの侵略は、作品に於いて
誰でもが同じ状況になることを確信させた。
詩集『柔らかい檻』は感性と詩的構成力が悲しみの深さ、
平和の尊さなど際立たせている。
縁戚の吉田一穂にも通じるものがあるようだ。
何事にも目を背けない渡ひろこの詩を推薦する。
――――― 北畑光男
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弥生のまだ冷たい風に
深紅の花びらを震わせる
なれど凛と顔は
天を仰いで
大輪となるまでに
幾重の苦難を乗り越えた強さは
嬲(なぶ)る風を物ともせず
蒼の時空に微笑む
揺るぎない芯が通った葉脈には
邪な念に屈せず
生きるフィロソフィーが
渾々と流れている
(「寒椿」より)
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● 著者について ●
渡 ひろこ(わたり・ひろこ)
東京都新宿生まれ。
著書
2008年 詩集『メール症候群』(土曜美術社出版販売)
2013年 詩集『囀り』(土曜美術社出版販売)
受賞歴
2008年 第23回福田正夫賞受賞
2018年 第14回日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞受賞
2019年 第50回埼玉文学賞詩部門準賞受賞
所属
詩誌『焰』『日本未来派』同人
日本現代詩人会、日本詩人クラブ、埼玉詩人会会員