闇を泳ぐ来羅ゆら詩集
- 著者
- 来羅ゆら
- サイズ
- A5判
- 頁
- 104ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-471-2 C0092
- 発行日
- 2022/06/01
- 本体価格
- 1,800円
自己という隘路を垂直に降りていく
――これは優れた詩人の本能であり使命であろう。
この苦痛と快感を通り過ぎれば、広いところに出るという予感は
来羅氏だけのものではなく今日の時代性である。
日々の闇を泳ぎながら、この詩人は詩という営為により
四次元的場所を確保することに成功している。
愛しいひとを黄泉にまで訪ね、
生の帰還を目指す現代詩のオルフェウスである。
(尾崎まこと)
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とつぜんの水音に
すべてが動きを取り戻す
狩人が持ちあげた網に
激しく全身をふるわせる ちいさなひかり
いのちといのちの戦いに勝利した子が
両手をあげた
あの日
そっと川の流れに魚を放った帰り道
あなたがつぶやいた
(おかあさん、あれはかみさまだった)
(「狩人」より)
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● 著者について ●
来羅 ゆら(らいら ゆら)
1948年大阪市に生まれる。
出版社勤務、塾講師等を経て、
不登校児童生徒のための居場所の指導員、コーディネーター。
傍ら子どもと女性の人権にかかわるNPO活動に参加、
現在にいたる。
現在にいたる。