詩の希望、詩の旅原 圭治エッセイ集
- 著者
- 原 圭治
- サイズ
- A5判
- 頁
- 400ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-427-9 C0095
- 発行日
- 2020/03/11
- 本体価格
- 2,600円
詩論・詩人論・旅・ヒロシマ遺言ノート、
私たちが共有すべき、生きた詩の歴史がここにある。
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本書は、詩を伴侶にした詩人の喜びと志に満ちている。と同時に、見逃して
はならないのは、現代詩の苦闘というものが詩人・原圭治を通して現れてい
ることである。この時代における希望とは、すでにそこにあるものではなく
なった。むしろそこにあるものは不安と絶望だからだ。未来に希望を共有す
るには、現在の不安と絶望を吟味し、解析による転換こそ必要であることを
この書は提言している。まさに詩における力と希望の回復である。
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人生八十八年。今年、七月に米寿を迎える。振り返ってみると、この人生
で一番続けてきたことは詩を書くことだったと思う。高校生時代に文芸部を
つくり、そこで北原白秋のまねごとのような詩を書くようになった。高校最
後の年には、もっぱら図書館でロシア文学に魅せられ、ドストエフスキイ、
ツルゲーネフ、好きだったチェーホフなど読み漁った。・・・(中略)
言うなればこの七〇年間は、主に詩の言葉を創造するための努力を続けて
きたと言ってもよい。このようにこだわり続けた詩の魅力とは、一体私の人
生にとって何だったのだろうか。生きる力かもしれない。
(「あとがき」より)
● 著者略歴 ●
1932年、和歌山市生まれ。
1951年、海南高等学校卒業。同年、昭南工業に就職。
1956年、和歌山大学教育学部卒業。
1957年、堺市立大仙小学校に勤務。
1958年、第一詩集『口のなかの旗』出版(共著・林武)。
1962年、堺市立八下中学校に勤務。
1964年、「詩人会議」会員となる。同年、「大阪詩人会議」結成呼び掛け人となる。
また、「大阪民主主義文学協議会」結成に参加。
1972年、第二詩集『歴史の本』出版。
1975年、堺市議会議員となる。
1988年、再び「詩人会議」会員に復帰し、「おおさか詩人会議」連絡会をつくる。
1994年、第三詩集『火送り 水送り』出版。同年、「日本現代詩歌文学館」評議員に就任。
「関西詩人協会」設立呼び掛け人となり、運営委員として事務局総務を勤める。
1995年、「日本現代詩人会」会員となる。
1998年、「日本詩人クラブ」会員となる。
2001年、「現代詩平和賞」の選考委員となる。同年、第四詩集『海へ 抒情』出版。
2003年、第五詩集『地の蛍』出版。
2004年、「九条の会・詩人の輪」結成に参加。同年、「反戦反核平和を願う文学の会」代表となる。
2007年、第六詩集『原圭治自選詩集』出版。
2008年、大阪詩人会議運営委員長に就任。同年、「全国生活語詩の会」事務局長・編集委員となる。
2014年、再び「大阪詩人会議」運営委員長に就任。
2016年、堺市文化功労賞受賞。
2017年、「日本現代詩人会」、「日本詩人クラブ」退会。
2018年、第七詩集『原圭治詩集』(新・日本現代詩文庫136)出版。
2020年、原圭治エッセイ集『詩の希望、詩の旅』出版。