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ホーム > エッセイ・評論 > 永井ますみの万葉かたり

永井ますみの万葉かたり古代ブロガー家持の夢

著者
永井ますみ
サイズ
A5判
120ページ
製本
ソフトカバー
ISBN
978-4-86000-384-5 C0095
発行日
2018/07/10
本体価格
1,600円

個数  

 

 

受信と発信の基地であるブロガー家持を中心に置くと、

浮かび上がる古代ネットワーク。

見えてくる詩の星座、見果てぬ家持のロマン。

 

永井ますみは、詩の発生する位置に家持と共に立つ。

そして、「憑依」という原生的方法により現れる

万葉集という銀河の輝きを私たちに今伝える

現代の語り部である。

 

 

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 中の文章にも書いているが、私は万葉集を二〇一一年に入ってから俄に勉強を始めた。最初は誰もが通る雄略天皇の「こもよみこもち……」の歌からだった。フクシで菜を摘むとあって、春の野でどんな菜を摘んでいるのかと思った。摘むといっても根を掘る道具のようなので、古代にもあったと思われる「堅香子(かたくり)」に比定してみたら、そこに頬を染めた初々しい乙女が立ち上がってきた。

 

 次に書いた「大口の真神の原を」という詩ではその場所を確定できず色々調べたが、とりあえず古い都の飛鳥あたりとして、戸も建てかね、わら筵を戸にしているような家に、妻問いの男が訪れる情景が浮かんできた。地域的には違いがあるが、私の育った開拓地のあばら屋に吹きつける春の嵐の凄まじい音と、雲の流れも。

 

 万葉歌のなかの何かに拘って調べて、あるいは妄想して書き継いでみると、やはりこの万葉集というのはただものではないと思うようになった。     

 

                        (「あとがき」より)

 

 

 

 

 

 

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-----目次より-----

 

万葉集にかかわって

中大兄皇子のことなど

有間皇子の無念

あかねさす宴会説

生き難き世に 大津皇子姉弟

志貴皇子の感慨

柿本人麻呂の謎

瀬戸内航路を探る

「迷いの船」に関連して

万葉集のなかの瀬戸内海と徳島

万葉集のなかの酒

大宰府へ

憶良ってどんな人

福島から仙台へ現代から過去へ

万葉集と大伴家持

藤原種継暗殺事件について

征服の歴史

万葉集収録歌各巻について

 

 

 

 

 

     ●著者について

 

     永井ますみ(ながい ますみ)

 

     既刊詩集
     『風の中で』(1972年 新詩流社)
     『街』(1974年 VAN書房)
     『コスモスの森』(1982年 近文社)
     『うたって』(1986年 近文社)
     『時の本棚』(1995年 摩耶出版)
     『おとぎ創詩・はなさか』(1996年 竹林館)
     『ヨシダさんの夜』(2002年 土曜美術社出版販売)
     『弥生の昔の物語』(2008年 土曜美術社出版販売)
     『短詩抄』(2009年 私家版)
     『愛のかたち』(2009年 土曜美術社出版販売)
     『永井ますみ詩集 新・日本現代詩文庫110』(2013年 土曜美術社出版販売)
     『万葉創詩 いや重け吉事』(2018年 竹林館)

     エッセイ集
     『弥生ノート』(2008年 私家版)

     所属
     「関西詩人協会」「兵庫県現代詩協会」「日本詩人クラブ」「ひょうご日本歌曲の会」会員
     「リヴィエール」同人 「現代詩神戸」主宰