路逢(ろほう)の詩人へ方韋子詩集
- 著者
- 方韋子
- サイズ
- A5判
- 頁
- 148ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-326-5 C0092
- 発行日
- 2016/01/20
- 本体価格
- 1,000円
Kataiko
―詩人であるという喜び―
その喜びが素直に溢れている第一詩集
詩を読む喜び、書く喜びもあろうが
詩を生きてきた喜び、詩を生きている喜び
いかにこの世の道が荒れており、すれ違いばかりであるとしても
あなたに立ち止まり、言葉の花束をそっと差し出すことのできる喜び
詩人である喜びは出会える喜び、分かちあえる喜び
残酷な世に在っても、まっすぐな眼差し、
優しいこころであることを決意したひと
詩人方韋子の言葉の花束 (尾崎まこと)
袋綴じ!
どうか切って
お召しあがり
ください
待望の第一詩集
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うら
うらうらと
うらが立ち上がる
なんと淋しい響きか
空は狭く
雲はたれこめ
雨はしょぼつく
うら うら うら
これは霙になるやろと
薄汚れた日本手拭で
ほおかぶりした
おなごが
冷えきった目をのぞかせ
煎餅布団のすきまができる
うら うら うら
うらうらと
朝日はこんなにおそく昇り
夕日はあんなにはやく沈む
山かいに忘れさられしものよ
意味なく忘れさられしものよ
(「うら」より)