アイルランドの梟
- 著者
- 中野武志
- サイズ
- 四六版
- 頁
- 392ページ
- ISBN
- 978-4-86000-81-1 C0093
- 発行日
- 2005/01/12
- 本体価格
- 2,300円
多くのものをあきらめ、一筋に進んだ。
運命の犬、祖母の溺愛、泣かされ少女、贋の親友、沈黙の画家
サラリーマン社会の様々な別れ…
小さな出来事に深々とした思いを重ねて、
非凡に生きたいと願った男の人生の四季。
上田は、男のことを思うと、どうしてもあの己の、樹木の魅力に取り憑かれ始めた頃のことを思い出さずにはいられない。樹木ばかりを描く男。そのほかの一切のものを無視して、ただ木だけを--さまざまな、そこいらにある木だけをひたすら描き続ける男。男の心情に手を添えたいような気がする。男にとっても、きっとあのときの上田と同じようなことが、多分もっと激しく鋭く、あったのに違いない。男もまたどこかでこの世を捨ててきたのに違いない。 (「樹木の画家」)より
この本を読んで日常がこんなにも深いドラマに満ちているとは思いませんでした。
生きるとは傷つくこと、夢を求めてやまないこと、大河の流れのようにそれらを
受け止めること。悲しいというのではなく涙が流れました。(読者 56歳女性)
人間の内面の光と闇を重厚に描ききった小説。
運命の犬、祖母の溺愛、泣かされ少女、贋の親友、沈黙の画家
サラリーマン社会の様々な別れ…
小さな出来事に深々とした思いを重ねて、
非凡に生きたいと願った男の人生の四季。
上田は、男のことを思うと、どうしてもあの己の、樹木の魅力に取り憑かれ始めた頃のことを思い出さずにはいられない。樹木ばかりを描く男。そのほかの一切のものを無視して、ただ木だけを--さまざまな、そこいらにある木だけをひたすら描き続ける男。男の心情に手を添えたいような気がする。男にとっても、きっとあのときの上田と同じようなことが、多分もっと激しく鋭く、あったのに違いない。男もまたどこかでこの世を捨ててきたのに違いない。 (「樹木の画家」)より
この本を読んで日常がこんなにも深いドラマに満ちているとは思いませんでした。
生きるとは傷つくこと、夢を求めてやまないこと、大河の流れのようにそれらを
受け止めること。悲しいというのではなく涙が流れました。(読者 56歳女性)
人間の内面の光と闇を重厚に描ききった小説。