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想いと磐(おもいといわ) リジア・シムクーテ詩集

著者
リジア・シムクーテ/薬師川虹一 訳
サイズ
A5判
151ページ
ISBN
978-4-86000-271-8 C0098
発行日
2014/03/10
本体価格
1,800円

個数  

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彼女は歌う、

語間に挟まる

空間は
それぞれの言葉に
それぞれの音を与える

彼女の詩には必ず空間が仕込まれている。「青く鼓動する磐」と「虹色の満月」の間、「骸骨の木立」と「緑色の太陽」との間には一瞬の空間がある。その空間がそれぞれの言葉に音すなわち意味という膨らみを与えているのではないか。一瞬の「間」を挟み込むところに彼女の詩の特性があるように思う。

                          (「訳者あとがき」より)

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BLEACHED REEDS

in camomile sand
sway under
fogged sun

time washes
away words

sea and sky are one
thought and rock

 

色褪せた葦が

カモミレ色の砂浜で
揺れている
太陽は頭上に霞む

時が言葉を
洗い流す

海と空は一つの
想いと磐となる

 

著者紹介

リジア・シムクーテ

1942年、リトアニアのサモギチアという小さな村に生まれた。
第二次大戦中彼女は両親とともにリトアニアを逃れ
ドイツの難民キャンプで初期の少女時代を過ごし、
1949年にはオーストラリアに移った。
シムクーテはリトアニア語と英語の二カ国語で詩を書き、
リトアニア、オーストラリア、その他の諸国で
様々な新聞やアンソロジーに発表してきている。
彼女の詩は13の言語に翻訳され彼女自身オーストラリアの詩や散文を
リトアニア語に翻訳してきている。

 

訳者略歴

薬師川虹一(やくしがわ・こういち)

1929年生まれ。1954年同志社大学大学院(英文学専攻)文学修士。
現在、同志社大学名誉教授。関西詩人協会、京都写真芸術家協会会員。
詩誌「RAVINE」編集・発行同人。
〈著書〉『イギリス・ロマン派の研究』、『ヒーニーの世界』
〈訳書〉『障害児の治療と教育』
〈共訳〉『フィリップ・ラーキン詩集』、『シェイマス・ヒーニー全詩集1966~1995年』、
ヒーニー『水準器』、『電燈』、『郊外線と環状線』、『さ迷えるスウィニー』、『人間の鎖』。
〈詩集〉『疲れた犬のいる風景』、『詩と写真―石佛と語る』他。